。その拍子にボタンでできた兎の赤い目が,クワガタのハサミに引っかかり,ぶちっと取れた。どうやら縫いつけてあった糸が,最初から少しほつれていたらしい。クワガタはそのままハサミで赤いボタンを日の丸のように掲げながら,じいちゃんを追うように森へ消えていった。 「またかよ……」 呆れたようにつぶやく兎を,泣き疲れた様子の弟が心配そうにのぞき込み, 「痛くない?」 と聞くと,兎は耳を触りながら, 「あぁ,初めてじゃないから全然平気。しかし,惜しかったなぁ,クワガタ」 と,悔しそうに答えていた。 その様子を見ていた少年は,アイオン RMT,少しいらだちながら, 「なぁ,なんでイラ木が出てくんだよ?」 と尋ねると,兎は少しクールに, 「知らねぇよ。俺は夢のコントロールまでできないんだよ。夢は何かを知らせている場合もあるし,自分の願いが映像になったりすることもある。人間の脳みそのことはよく分からん。まあ,兎としては羨ましい限りだがな。だから贅沢言うな」 と言って,少しだけ笑顔を浮かべた。 「兄ちゃん,おじいちゃんが森になっちゃったね」 と,弟が再び顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら言った。弟の言葉の意味を,少年はうまく理解できないでいた。 弟はその状況に飽きてしまったのか, 「兄ちゃん,お腹空いた?」 と言いながら,兎を抱き上げた。 「俺は食用じゃねぇからな!」 じたばたする兎を見ながら少年は, 「子供って,いっぱい泣くとお腹が空くんだな……」 と妙に感心すると同時に,なぜだか少しホッとしている自分に気付いていた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ その日の夜,少年と弟は母に連れられて銀座まで出かけ,夕飯を済ませた。弟はかなりお腹が空いていたようで,Lineage2 RMT,銀座に向かう車の中で,得意の空気食いをしていた。 弟は食事中,さっきまでの出来事を母に話したくてウズウズしていた様子だったが,「兎」「蛙」「じいちゃん」は,すべて母の顔色を変えるキーワードであるため,喉まで出かかった言葉を,オムライスで逆流させていたようだ。 帰りの車内,弟は満足したのか兎の人形を抱きしめながら眠り,少年は眩しい夜の街を窓から見ながら,一日のことを振り返っていた。 そのとき運転していた母が,独り言のように言った。 「さっき学校から電話があってね,坂木先生,亡くなられたんだって。息子さんから暴力受けていたらしいの。奥さんを早くに亡くしてから,息子さんと二人暮らしで,たいへんだっていうのは噂で聞いていたけど
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